冴え!

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冴えてる一言~水木しげるマンガの深淵をのぞくと「生きること」がラクになる

このWEB連載が本になりました! 水木作品との出会いについて書かれたまえがき、そして水木サンご本人との出会いとご縁をアツくしたためた「冴語番外 あとがきにかえて」や、あなたならどのセリフを冴えてる一言にえらびますか?と、まるで課題の...
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【68】諸君はノーベル賞を一ダースほしくないか?(見出し)

©️水木プロダクション  私が子どものころ、光文社のカッパコミックスで、『鉄腕アトム』と『鉄人28号』がシリーズ化されていて、それが2011年に小学館からどちらも『カラー版限定BOX』として復刻された。  懐かし...
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【67】お互いにとぼけてはいても、タマシイはしっかりしていた…(ト書き)

©️水木プロダクション  油断のならない世の中。  悪い人やズルい人が、いかにもそれらしい顔をしてくれればいいが、そういう人ほど善人面をしていることが多いので困る。  神社で丸顔の少年スリが、『金のありそう...
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【66】なんと申したらよいか、平和病、いや、道徳病と申したらいいでしょうか(天下の名医)

©️水木プロダクション  戦争反対、生命尊重、差別反対、イジメを許さない、原発反対、接待反対、忖度反対。  すべて正しく、忘れてはならないことである。と、ほとんどの人が思っている。  短編「ハト」の冒頭では...
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【65】休息ならあの世へ行ってからにしなさい(忠兵衛に憑いた太郎稲荷)

©️水木プロダクション  あくどい商売。  はじめからそれを企む人間もいるだろうが、多くは成りゆき上、その道に踏み込まざるを得なくなるのではないか。商売はもともと金儲けが目的だから、そちらのほうが儲かるとなると、...
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【64】ここの個所、もう少し神秘的な表現にできないかね(福島三太夫)

©️水木プロダクション  絶妙の表現。  それはモノを実物以上にうまく言い表したものだろう。実物以上であるから、一種のまやかしである。  短編「雷石」では、『透明鉄(すなわち見えない鉄)』の原料となる『雷石...
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【63】パカとはこれまた人を軽蔑したような……(鼠小僧芋吉)

©️水木プロダクション  バカにされると腹が立つ。  見知らぬ他人や目下の者にバカにされると、大抵の人は怒りを露わにする。しかし、こちらに弱みがある場合はどうか。  短編「ああ無情」は、ネズミ男が人生を2倍...
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【62】ボクはそういう苦しみに満ちた人生のレースに参加したくないのだ(メガネ出っ歯のフーテン)

©️水木プロダクション  あろうことか、受験生が読む『高3コース』に、受験生が勉強できないカラクリを解き明かすような短編を描いた水木サンは、大人への成長に戸惑う17歳が読む『高2コース』にも、これまた人生の絶望を突きつ...
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【61】しかし全力を集中するのはあすにして、きょうのところはひとまずねて、あすにそなえよう(受験生)

©️水木プロダクション  しなければならないことが、なかなかできない。  気が散る。集中力がない。意志が弱い、誘惑に負けやすい。理由はいろいろあるが、水木サンの描く「受験と人生」は、たった見開き2ページながら、身...
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【60】お願いです 管狐さま もとの不満にみちみちた私に返してください!!(メガネ出っ歯のサラリーマン)

©️水木プロダクション  変身願望。  自分以外のだれかになりたいと願ったことのある人は、少なくないのではないか。物事が思い通りにならなかったとき、あるいは別のだれかが成功にありついたとき、または自分が不運に見舞...
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【59】おまえ、天下の三毛先生に対して、なんということをいうのだ(アシスタントの池山)

©️水木プロダクション  三毛先生とは、一時、水木プロでアシスタントをしていたつげ義春で、この叫びを発する池山は、同じくアシスタントだった池上遼一がモデルである(『昭和史』第7巻『講話から復興』では、同じマンガが本名で...
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【58】ぼく、長生きなんか考えていないですよ(アシスタントの豊川)

©️水木プロダクション  水木プロのアシスタントには、奇抜な人間が多かったらしい。それは、水木サンが絵のうまさより、『面接して「変わっとる!」と思うと採用してしまうことがしばしば』(『ねぼけ人生』)だったからだ。 ...
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【57】幸福”ってのは、リンゴの木から実をとるように考えたらいかんよ(アラマタコリャマタ)

©️水木プロダクション  若いころ貧乏に苦しめられた水木サンは、鬼太郎や悪魔くんがヒットして、売れっ子マンガ家になると、今度は多忙に苦しめられた。  その状態を水木サンはこう書く。 『五十五歳をすぎて、毎日...
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【56】ああ、みんなこんな気持ちで死んでいったんだなあ(丸山二等兵)

©️水木プロダクション  2人の少尉が自決に追いやられたのには、理不尽この上ない理由がある。  そもそもは、丸山たちが所属する最前線のバイエン支隊に、田所という若い少佐が支隊長(大隊長)として赴任してきたのが問題...
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【55】「おい、もういうな」(山岸少尉)

©️水木プロダクション  さて、膨大な水木マンガの中でも燦然と輝く大傑作、「総員玉砕せよ!! 聖ジョージ岬・哀歌」からの一言です。  戦争反対、平和尊重を訴える映画や小説、ドキュメンタリーなどは数多(あまた)ある...
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【54】そんな天理教を信じてるからって、爆弾は落ちるところに落ちるよ(水木二等兵)

©️水木プロダクション  信仰は人を救えるか。  万年二等兵として戦地に送られた水木サンは、爆撃で左腕に大怪我を負い、眼科医の軍医に切断してもらって、辛くも一命を取り留めた。その後、ラバウルの野戦病院に収容され、...
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